天赦日等が含まれる暦注下段。その中でひときわ異彩を放っているのが、この受死日でしょう。
こんな疑問にお応えすべく、受死日の意味からこの日にやっていいこと、悪いことまで解説します。
目次
受死日とは?
暦には受死日が属する暦注下段の他、大安等が属する六曜をはじめとした、様々な占いが書き込まれています。
実は受死日、数ある凶日の中でも最大クラスの凶日とされる日。
ここでは、具体的にどんな凶日なのか?基本的な意味をつかみましょう。
受死日は暦の中でも最大クラスの凶日
お葬式以外は何をしてもダメ。これが受死日を語るうえで、1番簡単な説明でしょう。
結婚式や引っ越しといった、人生の一大イベントはこの日を避けて行われるような日です。
ただ、受死日の底力はこれだけにとどまりません。この日に病気になると、その病気が命を落とす原因になる、何かを始めてもうまくいかないとされています。
さらに、吉日の持つ吉運をすべてかき消してしまう威力を持つとも言われるのです。
思わず「もうこれ以上の凶日の効果はいらない、お腹いっぱいです!」と言いたくなってしまいそうですよね。
そんな受死日、暦に記す際には、黒い丸で記されるのがならわし。黒日とも呼ばれます。
「今日は運が味方しないから、注意してね!」と昔の人々も言いたかったのかもしれません。
また、お葬式のしきたりや手順などは「みんなが選んだ終活」のコラムが充実しています。
受死日は迷信?気にしない考え方もある
意味としては怖い受死日。ただ、迷信として「気にしない!」とする考えかたもあります。
受死日は、暦に記載される占いの中でも、暦注下段に属するというお話をしました。
実はこの暦注下段、上段と比較すると、信憑性の低い迷信という声も根強いものです。
暦注下段に対し、上段と呼ばれる部分に入る項目は、曜日や日付、二十四節気や七十二候。
これらの項目は、太陽や月の運行に沿った、天文学的要素も強い項目。現代人が見ても、納得のいく部分の多い項目となっています。
対して暦注下段は、根拠の見られない迷信として、朝廷や日本政府から、利用を禁止されてきた歴史を持つもの。
現代では、1つの考え方として広まっていますが、そこまで深刻に考える必要のないもの、とも考えられるのです。
2024年の受死日一覧
受死日の日付 | 曜日 | 重なる吉日 |
---|---|---|
1月4日 | 木 | 天恩日 |
1月10日 | 水 | 大明日 |
1月22日 | 月 | |
2月3日 | 土 | |
2月4日 | 日 | |
2月16日 | 金 | 大明日 天恩日 |
2月28日 | 水 | |
3月5日 | 火 | 天恩日 |
3月17日 | 日 | 天恩日 |
3月29日 | 金 | 鬼宿日 大明日 |
4月5日 | 金 | |
4月17日 | 水 | 大明日 天恩日 |
4月29日 | 月 | |
5月5日 | 日 | 己巳の日 大明日 |
5月12日 | 日 | |
5月17日 | 金 | 巳の日 天恩日 |
5月29日 | 水 | 巳の日 |
6月5日 | 水 | |
6月17日 | 月 | 天恩日 |
6月29日 | 土 | 天恩日 |
7月17日 | 水 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 天恩日 |
7月29日 | 月 | 一粒万倍日 天赦日 月徳日 母倉日 |
8月17日 | 土 | 母倉日 天恩日 |
8月29日 | 木 | 母倉日 天恩日 |
9月16日 | 月 | 母倉日 天恩日 |
9月28日 | 土 | 大明日 母倉日 |
10月17日 | 木 | 寅の日 |
10月29日 | 火 | 寅の日 月徳日 天恩日 |
11月16日 | 土 | 大明日 月徳日 母倉日 |
11月28日 | 木 | 母倉日 |
12月17日 | 火 | |
12月29日 | 日 | 天恩日 |
2025年の受死日一覧
受死日の日付 | 曜日 | 重なる吉日 | ほかの凶日 | 六曜 |
---|---|---|---|---|
1月16日 | 木 | 仏滅 | ||
1月28日 | 火 | 仏滅 | ||
2月10日 | 月 | 大明日 天恩日 | 先勝 | |
2月22日 | 土 | 先勝 | ||
3月12日 | 水 | 天恩日 | 友引 | |
3月24日 | 月 | 大明日 | 友引 | |
4月12日 | 土 | 大明日 天恩日 | 大安 | |
4月24日 | 木 | 大安 | ||
5月12日 | 月 | 巳の日 天恩日 | 赤口 | |
5月24日 | 土 | 巳の日 | 赤口 | |
6月12日 | 木 | 天恩日 | 先負 | |
6月24日 | 火 | 天恩日 | 不成就日 | 先負 |
7月6日 | 日 | 月徳日 | 大安 | |
7月12日 | 土 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 天恩日 | 三隣亡 | 大安 |
7月24日 | 木 | 天赦日 一粒万倍日 月徳日 母倉日 | 不成就日 三隣亡 | 大安 |
8月5日 | 火 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 | 三隣亡 | 大安 |
8月12日 | 火 | 母倉日 天恩日 | 赤口 | |
8月24日 | 日 | 母倉日 天恩日 | 友引 | |
9月5日 | 金 | 大明日 母倉日 | 友引 | |
9月11日 | 木 | 母倉日 天恩日 | 友引 | |
9月23日 | 火 | 大明日 母倉日 | 不成就日 | 先負 |
10月5日 | 日 | 大明日 母倉日 | 先負 | |
10月12日 | 日 | 寅の日 | 仏滅 | |
10月24日 | 金 | 寅の日 月徳日 天恩日 | 赤口 | |
11月5日 | 水 | 寅の日 | 赤口 | |
11月11日 | 火 | 大明日 月徳日 母倉日 | 赤口 | |
11月23日 | 日 | 母倉日 | 不成就日 | 先勝 |
12月5日 | 金 | 鬼宿日 母倉日 | 先勝 | |
12月12日 | 金 | 友引 | ||
12月24日 | 水 | 天恩日 | 不成就日 | 先負 |
受死日にやって良いこと悪いこと
ここでは、受死日にやって良いことと悪いことを、表形式でご紹介しましょう。
また、カレンダーやスケジュール帳に、おすすめしない行動を書き込んでおくと、さらに活用しやすくなるでしょう。
行動 | やって良い度 | 解説 |
---|---|---|
お葬式 | 〇 | 唯一、受死日に行っても問題のないこととされる。始めることでもなければ、達成することでもない。もちろん、おめでたいことでもないので、受死日であることを気にする必要はない。 むしろ「友引」「仏滅」「大安」等、六曜のいつに当てはまるかを気にする親族・友人がいるかもしれない。こちらも暦を用いて確認するのが安心。 |
参拝 | × | お葬式以外、すべてにツキのない日なので避けて無難。特に遠方への旅行がてらの参拝は、命の危険も増す行為なので慎んで。 また、参拝して願をかけること自体を「何かを始める、決意すること」と取れば、「物事を成さない日に物事を始める」ことにつながるため凶。 |
契約 | × | 契約は「双方に得のある何か」を得るために行うこと。つまり「何かを得るための取り決めを行い、本格的に目的のものやサービスを得るための行動を始める日」になる。 物事を成さない、うまくいかないとされる受死日に行うと、思わぬトラブルを招きこみかねない。不安を残さないためにもこの日の契約はできる限り避けて正解。 |
買い物 | △ | 何事にもツキのない、凶運に見舞われる日なので、できるだけ避けて。特に、縁起を担ぎたい福財布や家具、宝飾品等は購入しないのがおすすめ。 普段通りに、何度も買っているものを購入することは、普段の生活と変わらない行動のため、さしたる問題はないと考えられる。 必要のない買い物にわざわざ行くことは避けた方が無難。 |
納車 | × | 受死日には「禁じられたことをすると、命を落としかねない」という意味があるとの説も。そのため、葬式以外、しかも自分や家族等の命を乗せる車を納車することは、避けて吉。また、納車自体が新しい車との付き合いを始める日。そのため「愛車との関係にひびが入りやすい」、車に関するトラブルを招きこみやすい日と言える。 |
入籍 | × | 最強クラスの凶日は、とても運の悪い日、全く縁起の良くない日と言い換えられる。慶事である入籍を行うことは、わざわざ慶事に悪運を招き入れることにもつながってしまうので避けて。 また、入籍は法的には新生活を始める日でもある。何事も始めることに向かない、始めたことが頓挫しやすいとされる受死日に行うことは避けたい。 |
結婚式 | × | 新しく夫婦として生きることを誓う式が結婚式。物事を始めることにツキがないとされる受死日に行うことは、縁起の良くない日に行ってしまうことになるので凶。また、受死日に行動を起こすことは、命の終焉を招くとの説もあるため、避けて。 同様に、披露宴も新しい夫婦を親しい人にお披露目する宴会なので、行わないのが無難。 |
引っ越し | × | たとえ、業務命令に伴う引っ越しだったとしても、慶事として扱われることが多いはず。そのため、凶日である受死日に行うと、縁起の悪い日に慶事を行うことになるので避けて。また、新生活を開始する日と考えても、避けた方が無難。物事を成さない、うまくいかないとされる受死日なので、新天地での生活が難航しやすいとされる。 |
手術 | △ | 本質的には、命にかかわることは避けた方がいいとされているので、避けられるものならば避けた方が無難。 ただし事故に遭った、急に重い症状が出た等。手術以外にどうにもならない事案は、暦を気にしていられる場合ではない。 美容整形等、すぐにしなくても良く、完成度が気になる手術等、調整できるものだけ、受死日を避けて。 |
通院 | △ | 生死にかかわる物事は避けた方が良いとされる日なので、できれば避けたい。 だが、定期的に通わなければ命にかかわるものに関しては、気にしていられない部分。 可能であれば治療開始日や、初診の日を避ければ安心感を得られる、程度の利用にとどめて。 また、定期的な通院が既に始まっている場合は、日常生活の一部と考えられる。 |
掃除 | △ | 何事も成さない日なので、大掃除や断捨離といった、一念発起を伴う掃除には向かない。難航して、結局他の日に持ち越すことになる可能性が高まる。大々的な掃除は避けて正解。 一方、普段通りに行う掃除であれば、新たなに何かを始めるわけでもないので、普段通りの行動に収まる。慣れた道具、慣れた手順で行うことを心掛けて。 |
散髪 | × | たとえ数センチ切り揃える程度でも、新しい髪型を作る時間が、散髪の時間。 物事を成さない、うまくいかないとされる受死日に行うと、思ったような髪型にならない可能性が上がるともされる。 また、髪型そのものに問題が出なくても、異様にいつもよりも待ち時間が長くなる等、思わぬアクシデントに見舞われることもあり得る。 |
旅行 | × | 旅行は長距離の移動を伴うことが多い。そのため、事故やアクシデントに見舞われるリスクを自ら上げることになり、受死日の凶運の影響を受けやすくなる。 また、お葬式以外にはツキがない日なので、予定していた立ち寄り地が臨時休業だった等、トラブルに見舞われやすくなることもありうる。 極力、受死日を含まない日程を考えて。 |
鍼灸 | × | 手術ほど、大きく体を切ることはないが、体に針を刺したり、熱を与える等の行為である。 命や体にかかわることは避けるべき日が受死日なので、この日に受けるのは避けた方が無難。 また鍼灸は、体調に何かしらの好影響を与える目的で行われることでもある。 受死日は、目的が達成されない日、とされるため、違う日に受けて正解。 |
服薬 | △ | 生死にかかわることは避けるべき日なので、本質的には避けたい。 しかし、「この日に必ず薬を飲まないと命にかかわる」という病も存在するのが現実。また、普段通りの生活を送るために薬が必要な場合もあるはず。 そのような投薬に対して受死日を気にすることは、本末転倒だろう。致し方ないこともある、と割り切るのがおすすめ。 |
お見舞い | △ | 生死にかかわることは避けるべき日なので、病院に足を踏み入れることもできれば避けたい。 また、暦を気にする方が相手の家族・親族にいる場合、この日のお見舞いを忌み嫌われることもおおいに考えられる。 ただし危篤等の場合は、そこまで気にする必要はないはず。特に家族に呼ばれたのに、受死日を理由に断る必要はないだろう。 |
受死日のおすすめの過ごし方は普段と何も変えない
繰り返しになりますが、受死日は慶事・イベント・物事の開始を避けるべき日。また、病院や美容院に行くことも避けるべき日です。
そうなるとできることは、普段通りに過ごすこと。
受死日だからと言って特別なことをするのではなく、極力「普段通りの何でもない日と同じこと」をするのがおすすめです。
とはいえ「逆にそう言われると、落ち着かない」という方もいるでしょう。
その場合は「会社や学校を休むほどではないけれど、調子の悪い日」の過ごし方を参考にして。
最低限の仕事だけする、大切な決断は先送りする、私語をせずに静かに過ごす。こんな行動が、まさに受死日におすすめの日の過ごし方です。
また、プライベートな時間に入っても、調子が悪い日ならば、お誘いは断ってまっすぐ帰って寝ることが多いでしょう。これも、受死日におすすめの行動です。
受死日に関するギモン
いざ、受死日を暦で見てみると、悩むこともありますよね。ここでは受死日にまつわる、よくあるギモンにお答えしていきます。
知っていれば、暦を活用しやすくなるギモンばかり。ぜひ、暦を見る際に活用してくださいね。
十死日とはどう違うの?
発音や字面が似ているため、混同する方もいるかもしれませんが、別物です。
受死日の方がより強力な凶日とされますが、こちらもかなり強烈な凶日。というのも、何をしてもダメ、特に結婚式や入籍の他、お葬式や争い事にも向かないとされる日だから。
何をしてもダメ、慶事やイベントには向かないという共通項がある分、混同されやすい凶日といえるでしょう。
1番の違いは、お葬式はしても問題ないのが受死日、お葬式もダメなのが十死日という部分です。
ちなみに、由来がハッキリしない受死日に対して、十死日はわかりやすい逸話が、由来として残っています。
この日に、法王が9人の王子とともに亡くなった、ということが由来となっているそう。合計10人が亡くなっている日、ということです。
一粒万倍日と受死日が重なると吉運が打ち消される
一粒万倍日が凶日と重なった時の考え方は、諸説紛々。凶日の力を強めるという説と、凶日の作用を弱めて何でもない日にするという説があります。
ただし、最強クラスの凶日とされる受死日。どんな吉日でも、重なればその吉運を打ち消してしまうという説も、多く聞かれます。
そのため、宝くじや福財布の購入、物事を始める等の行動は避けた方が安心でしょう。
一粒万倍日自体、6日に1日程度はやってきます。受死日と重ならない日を選ぶのがおすすめです。
なお、天赦日が重なれば、受死日の凶運はなくなるという説もあります。ですがこれも、受死日の方が強いという説もあるのが現実。
念を入れるならば、この日も利用しない方が安心できるでしょう。
大安と受死日が重なると縁起の悪い日と捉えられる
どんなことでもスムーズに進む、六曜の中でも最強の吉日が大安。
それだけに、結婚式や慶事に使われる日ですが、やはり最強クラスの凶日である受死日には勝てないとされます。
つまり縁起の悪い日、凶運ただよう凶日という意味が強くなるということ。そのため、大安として用いることはおすすめしません。
一方で、天赦日が重なれば、受死日の凶の作用を滅するという説も。ただし、こちらも受死日の方が強いという説もあります。
事をするにあたり、大安だけ採用するという方法もあるでしょう。良い考え方だけ採用するというのも、悪くありません。
ただ、暦に詳しい人がいるとクレームが入る可能性も。周りの意見を聞いて、慎重に検討する姿勢も必要です。
受死日にダメなことをやってしまった時は?
うっかり暦を見逃したり、忙殺されたりして、受死日にダメなことをしてしまったと、後になって気づいた。気持ち的に、もやっとしますよね。
落ち着かないですが、まずは物事を合理的に考えようと決めましょう。
そして、暦注下段は迷信に近いものであったことを思い出し、この記事ももう1度読んでみることをおすすめします。
それでもやっぱり、落ち着かない。「あんなことしちゃってどうしよう!」という気持ちが拭えないこともあるでしょう。
そんな時には、直近の天恩日や大明日を探してみて。その日に寺社仏閣に出かけ、不安な気持ちを打ち明けて、加護をお願いするのがおすすめです。
また「ここから新たに始めます、ここで気持ちをリセットします」と宣言するのもおすすめ。
吉日に行動し、仕切り直しができたと思うことで、気持ちも落ち着くでしょう。