パッと見では意味のわかりづらい選日・三隣亡。
こんな方のために、今回は三隣亡の本来の意味、やってはいけないことから、よくある疑問までお答えします。
目次
三隣亡とは?三隣亡の意味
三隣亡、カレンダー等には「三りんぼう」と書かれることも。
筆者「うりん坊の一種?」と思っていたことがあります。ちなみに、うりん坊とは仔イノシシのことです。
実際には、あまり可愛いとは言い難い三隣亡。本来の意味をご紹介しましょう。
三隣亡は土木建築の凶日
この日に土木建築をすると、三軒隣まで滅ぼす。これが三隣亡の意味です。
具体的には大火事でご近所まで焼き滅ぼしたり、建築にかかわる大工さんが大ケガをする日とされます。
であれば三隣滅の方がわかりやすい気はしますが、これには三隣亡の起源が関係する模様。
というのも三隣亡、もともとは「三輪宝」と呼ばれ、建築の吉日とされていたそうなのです。
しかし「建築によし」を「建築にあし(悪し)」と間違えて転写されたことから、三隣亡と表記を変え、凶日になったとされます。
現代でも、特に建築関連の業界の方に恐れられる凶日です。
三隣亡にやってはいけないこと
ここでは、三隣亡にやってはいけないことをご紹介しましょう。
大体イメージはついたという方も、具体的に、
とつかんでくださいね。基本を押さえていれば、暦を読んだ時に迷うことも少なくなるはずです。
建築
一般的に建築といえば、やはりマイホームの工事を考える方が多いでしょう。もちろん、それは真っ先に避けたいこと。
でも、土木建築全般なので、たとえば庭にカーポートを建てたり、倉庫を設置することもやめておきたい日です。
DIYの得意な方が簡単にできることでも、この日だけはやめておくのが無難でしょう。
また、リフォーム工事もやめておいた方が無難。建築工事であることには変わりありません。
また、本格的に畑での作業を始める前に行う、土起こしも禁じられている日。そのため、畑仕事や花壇の作業も避けて正解です。
特に、畑や花壇とそうではない場所の境界を作るためにブロックを敷設する等、建築的要素が入ることはやめておきましょう。
地鎮祭・棟上げ
建築にかかわる一大神事といえばこの2つでしょう。
建築予定の土地の神様にご挨拶をし、円滑な建築作業の遂行と、建築が終わった後の安寧を願うのが地鎮祭。
棟上げは上棟ともいわれ、ここまでの作業の無事への感謝を捧げ、今後の安寧を願うお祭りです。
いずれも、建築にかかわる方はもちろん、場合や地域によってはご近所さんもかかわるもの。だからこそ建築全般、縁起の悪い三隣亡の日の挙行は避けられます。
どちらも三隣亡に重ならないよう、建築会社さんが回避してくれる可能性は高い日。ただ、万が一を考えて、事前に把握しておくと安心度は高いでしょう。
なお、三隣亡は吉日と重なったとしても、三隣亡優先で考えられることが多いものです。
引っ越し
直に建築にかかわるところではないのですが、建築物から建築物を移動するという意味では、無関係とは言いがたいでしょう。
また三隣亡の日の引っ越し自体が、建築と同様にご近所をも大火事に巻き込んで滅ぼすという説もあります。
そのため、近所に暦を重んじる人がいると「三隣亡に引っ越してきた非常識な人」と、引っ越した後まで言われるケースもあるそう。
凶日を重んじるか否かで、ご近所トラブルを招くのはできれば避けたいものです。
「自分は気にしなくても、新しい環境には気にする人がいるかもしれない」と考えて、三隣亡の日の引っ越しは避けた方が良いでしょう。
なお同様の理由から、引っ越しのご挨拶も三隣亡の日には避けた方が無難です。
引っ越しや建築にかかわる契約
契約したその日に引っ越す、建築を始めるということは現実的ではありません。
ただ、実際に物を動かしたり、柱を立てたりしなくても、契約は物事のスタートと言える行為。
そのため、契約の日こそ引っ越しや建築を始める日と考えると、三隣亡には適さない行動と言えるでしょう。
検討段階だったり、どの会社に依頼するか比較したい段階で、店舗や会社に出向くならば、深く考えなくてもいいかもしれません。
しかし、かなり真剣に考えている、もうほぼ契約の意思は固まっていると言うなら話は別。特に、頭金を支払うつもりがあるなら、1度暦を見ましょう。
万一、その日が三隣亡だったら後悔するはず。また、他の凶日を避けるためにも確認は重要です。
気にする人はこれも気にする
土木建築にまつわる行為を凶とするのが、三隣亡。
ですが、気にする人は土木建築以外の行事も避けているそう。中には「地域の風習として避ける」というものもあるようです。
そんな「気にする人はこれも気にする」という行事をご紹介します。
結婚にまつわる行事
土木建築とは関係ないのですが、1つ家庭を作る日が結婚という意味では、まったく無関係ではないという考え方。
そのため、婚姻届けの提出や挙式といった、結婚にまつわる行事は避けると考える方も少なくはないようです。
また、結婚はとても大きなライフイベント。どんな凶日も避けて行いたいと思うのは、決して不思議なことではありません。
本来の意味を脇においても、凶日に慶事を行うこと自体おかしいと考える方もみえるようです。
買い物・納車
これも凶日に慶事や重要事を行うのは縁起が悪い、という考え方からのようです。
普段の買い物ではなく、宝くじや福財布を買う等、ゲンを担ぎたい買い物は避けるべきとの声が。財布の使い始めも避けるべきとの声もあります。
また、納車も大きな金額が動く買い物。結婚や建築ほどではないにしても、一大行事なので、避けて吉と考えられるようです。
加えて、車という家族や友人の命を乗せる存在を迎える日だからという考え方もあります。
贈り物
これは、群馬や新潟等、一部地域だけで言われているもの。「三隣亡に何かを贈られた側が貧乏になる」とされています。
贈った側はいいけれど、もらった側が貧乏になっては大変なことと避けられているのです。
普段、気にする機会はまずないでしょう。でも、身近に該当地域出身の方がいる場合や、暦を気にする方がいる場合は、注意した方がいいかもしれません。
特に、お誕生日のお祝いやお礼の品を渡すタイミングは気を付けましょう。
葬式
これも、和歌山県の一部地域で伝統的に言われているもの。全国的には広まっていません。葬式だけでなく、通夜も避けるべきこととされています。
厳密にゲンを担ぐ方の中には、やはり凶日であるだけに、行事は避けるべきという声も。
三隣亡本来の意味通り、火災等のトラブルが起きやすいという説もあります。
結婚式等を避けるのと同様に、無用なトラブルを呼び込まないために、もう少しツキのある日にやった方がいいという考え方です。
気にする人はするものはどう対処する?
宝くじの購入や福財布の購入、使い始め等については「個人の判断」で良いでしょう。
「建築に関する凶日でしかないのだから気にしない!」でも誰にも迷惑も掛かりません。
自分の考えを貫くことで前向きさを保ち、運を味方にすることもできるでしょう。
一方、結婚式や葬式、贈り物については少し考えた方がいいかも。関係者の中に、気にする人がいるかもしれないからです。
その場合は、気にする人との話し合いを密にして。それが、人間関係を良く保つことにもつながるでしょう。
2024年と2025年の三隣亡
2024年の三隣亡は32日、そして2025年の三隣亡は29日。だいたい1か月に数日は巡ってきます。
比較的お休みの取りやすい週末に重なる三隣亡もあるので、建築や引っ越しを予定されている方はぜひチェックして。
また、吉日やほかの凶日と重なっていることも多いので把握しておきましょう。
2024年の三隣亡
三隣亡の日付 | 曜日 | 重なる吉日 |
---|---|---|
1月3日 | 水 | 寅の日 天恩日 |
1月7日 | 日 | 大明日 月徳日 母倉日 |
1月19日 | 金 | 大明日 母倉日 天恩日 |
1月31日 | 水 | 母倉日 |
2月5日 | 月 | 母倉日 |
2月17日 | 土 | 大明日 母倉日 天恩日 |
2月29日 | 木 | 母倉日 |
3月15日 | 金 | 一粒万倍日 天赦日 寅の日 |
3月27日 | 水 | 一粒万倍日 寅の日 |
4月12日 | 金 | 大明日 母倉日 |
4月24日 | 水 | 大明日 母倉日 |
5月11日 | 土 | |
5月23日 | 木 | 大明日 |
6月4日 | 火 | |
6月7日 | 金 | 寅の日 大明日 母倉日 |
6月19日 | 水 | 寅の日 母倉日 |
7月1日 | 月 | 寅の日 月徳日 母倉日 天恩日 |
7月17日 | 水 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 天恩日 |
7月29日 | 月 | 一粒万倍日 天赦日 月徳日 母倉日 |
8月15日 | 木 | 大明日 天恩日 |
8月27日 | 火 | |
9月11日 | 水 | 寅の日 |
9月23日 | 月 | 寅の日 月徳日 |
10月5日 | 土 | 寅の日 大明日 |
10月9日 | 水 | 一粒万倍日 大明日 月徳日 母倉日 |
10月21日 | 月 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 |
11月2日 | 土 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 |
11月7日 | 木 | |
11月19日 | 火 | 大明日 |
12月1日 | 日 | |
12月16日 | 月 | 寅の日 |
12月28日 | 土 | 寅の日 天恩日 |
2025年の三隣亡
三隣亡の日付 | 曜日 | 重なる吉日 | ほかの凶日 | 六曜 |
---|---|---|---|---|
1月13日 | 月 | 大明日 母倉日 天恩日 | 不成就日 | 先勝 |
1月25日 | 土 | 母倉日 | 先勝 | |
2月11日 | 火 | 大明日 母倉日 天恩日 | 友引 | |
2月23日 | 日 | 母倉日 | 友引 | |
3月10日 | 月 | 天赦日 一粒万倍日 寅の日 | 赤口 | |
3月22日 | 土 | 一粒万倍日 寅の日 | 赤口 | |
4月3日 | 木 | 一粒万倍日 寅の日 大明日 | 友引 | |
4月7日 | 月 | 大明日 母倉日 | 赤口 | |
4月19日 | 土 | 大明日 母倉日 | 赤口 | |
5月1日 | 木 | 大明日 母倉日 | 不成就日 | 先勝 |
5月6日 | 火 | 赤口 | ||
5月18日 | 日 | 大明日 | 赤口 | |
5月30日 | 金 | 友引 | ||
6月14日 | 土 | 寅の日 母倉日 | 大安 | |
6月26日 | 木 | 寅の日 月徳日 母倉日 天恩日 | 先勝 | |
7月12日 | 土 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 天恩日 | 受死日 | 大安 |
7月24日 | 木 | 天赦日 一粒万倍日 月徳日 母倉日 | 不成就日 受死日 | 大安 |
8月5日 | 火 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 | 受死日 | 大安 |
8月10日 | 日 | 大明日 天恩日 | 仏滅 | |
8月22日 | 金 | 仏滅 | ||
9月3日 | 水 | 赤口 | ||
9月18日 | 木 | 寅の日 月徳日 | 不成就日 | 先負 |
9月30日 | 火 | 寅の日 大明日 | 仏滅 | |
10月16日 | 木 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 | 友引 | |
10月28日 | 火 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 | 仏滅 | |
11月14日 | 金 | 大明日 | 不成就日 | 先負 |
11月26日 | 水 | 仏滅 | ||
12月11日 | 木 | 寅の日 | 先勝 | |
12月23日 | 火 | 寅の日 天恩日 | 友引 |
三隣亡に関する疑問
暦を見ていると、目につくのは「吉日と凶日が重なる日」ではないでしょうか?
では、三隣亡と吉日が重なると、どんな意味に捉えられるのでしょう。
ここではそんな疑問にお答えします。
大安と三隣亡が重なるときの意味
三隣亡に大安が重なっても、三隣亡の影響が消えることはない模様。
ただ、本来の三隣亡は土木建築の凶日です。逆を言えば「土木建築にかかわることを避けるなら、大安として使ってもいい」というのが本来的な意味なのです。
何事もスムーズに運ぶ、が大安の本来の意味ですから、仕事や家事はサクサク進みやすい日と言えるでしょう。宝くじ等の購入もスムーズにできそうです。
ただ、結婚式等の行事は「三隣亡は凶日!」と気にして避ける人もいることは知っておきましょう。
一粒万倍日と三隣亡が重なるときの意味
一粒万倍日は凶日と重なった場合、力をそがれてしまうとされています。
凶日が重ならない日に比べれば、恩恵を受けづらくなるというのが本来の意味です。
ただ、三隣亡の日に避けるべきだと言われているのは、土木建築や引っ越しだけ。そこだけ避ければ良いという考え方もできるでしょう。
特に貯金や、宝くじを買うことであれば、三隣亡を気にする人の目も気にならないはず。
「本来の意味だけ気にして行動する」と割り切れるのであれば、吉日として活用できるでしょう。