「負」の字のインパクトが強い、先負。何か縁起が悪そうなイメージを醸し出していますよね。
では、本当のところはどうなのでしょう。
今回は先負について解説します。
目次
先負とは?六曜先負の意味と時間帯
暦に書かれる占いのうち、先負は六曜に属する要素。6つある要素のうち、仏滅・赤口に次ぐ凶日とされている日です。
ただ、単に凶日と言われても何となく運が悪そうとしか思えないですよね。
では、具体的にどんな日なのか?解説しましょう。
午後(12:00以降)に動くのが良い
先負の名の由来は「先んずれば負ける」。本来、六曜自体が賭け事の日取りを決めるために使われていたともされており、先負は特にその要素の強い日とされています。
つまり本来の意味は「相手より先に勝負をかけると負ける」でしかなかったのです。
むしろ慎ましく行動するならば全く問題ない、吉日の1つでした。
それが時代の変遷とともに「先負」になる前の漢字表記「小吉」「周吉」から、「午前中は凶」になったとされます。
現在では「午前は凶。特に賭け事や訴訟・急ぎの用事に向かない日。午後は吉」という解釈が一般的。
正午を過ぎれば運気が上昇し、動いても問題のない日とされています。
ただ、元々の意味が「相手より先に勝負をかけると負ける」なので、1日を通して賭け事や訴訟には向かないと考えて。
勝負が絡まないことであれば午後からOKと覚えれば良いでしょう。
2024年先負の日カレンダー
先勝の日付 | 曜日 | 特記 | 重なる吉日(縁起の良い日) | 重なる凶日(縁起の悪い日) |
---|---|---|---|---|
1月4日 | 木 | 天恩日 | 受死日 | |
1月10日 | 水 | 大明日 | 不成就日 受死日 | |
1月14日 | 日 | 大明日 | ||
1月20日 | 土 | 大寒 | 天恩日 | |
1月26日 | 金 | |||
2月1日 | 木 | 大明日 | 不成就日 | |
2月7日 | 水 | 一粒万倍日 | ||
2月12日 | 月 | 一粒万倍日 大明日 月徳日 | 不成就日 | |
2月18日 | 日 | 母倉日 天恩日 | ||
2月24日 | 土 | 一粒万倍日 大明日 | ||
3月1日 | 金 | 鬼宿日 母倉日 天恩日 | ||
3月7日 | 木 | 大明日 | 不成就日 | |
3月11日 | 月 | 月徳日 | 不成就日 | |
3月17日 | 日 | 彼岸入り | 天恩日 | 受死日 |
3月23日 | 土 | |||
3月29日 | 金 | 鬼宿日 大明日 | 受死日 | |
4月4日 | 木 | 清明 | 不成就日 | |
4月9日 | 火 | 一粒万倍日 | 不成就日 | |
4月15日 | 月 | 大明日 天恩日 | ||
4月21日 | 日 | 一粒万倍日 | ||
4月27日 | 土 | 大明日 | ||
5月3日 | 金 | 一粒万倍日 天恩日 | 不成就日 | |
5月13日 | 月 | 大明日 | ||
5月19日 | 日 | 天恩日 | 不成就日 | |
5月25日 | 土 | |||
5月31日 | 金 | 大明日 | ||
6月10日 | 月 | 入梅 | 一粒万倍日 巳の日 大明日 | 不成就日 |
6月16日 | 日 | 大明日 天恩日 | ||
6月22日 | 土 | 一粒万倍日 巳の日 | ||
6月28日 | 金 | |||
7月4日 | 木 | 一粒万倍日 己巳の日 大明日 | 不成就日 | |
7月9日 | 火 | 月徳日 | ||
7月15日 | 月 | 天恩日 | ||
7月21日 | 日 | |||
7月27日 | 土 | 大明日 | 不成就日 | |
8月2日 | 金 | |||
8月6日 | 火 | 寅の日 大明日 | 不成就日 | |
8月12日 | 月 | 天赦日 | ||
8月18日 | 日 | 寅の日 | ||
8月24日 | 土 | 大明日 | ||
8月30日 | 金 | 寅の日 天恩日 | 不成就日 | |
9月4日 | 水 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 | 不成就日 | |
9月10日 | 火 | 大明日 母倉日 | ||
9月16日 | 月 | 母倉日 天恩日 | 受死日 | |
9月22日 | 日 | 秋分の日 | 母倉日 | |
9月28日 | 土 | 大明日 母倉日 | 不成就日 受死日 | |
10月3日 | 木 | 月徳日 | 不成就日 | |
10月9日 | 水 | 一粒万倍日 大明日 月徳日 母倉日 | ||
10月15日 | 火 | 天恩日 | ||
10月21日 | 月 | 一粒万倍日 大明日 母倉日 | ||
10月27日 | 日 | 天恩日 | 不成就日 | |
11月6日 | 水 | |||
11月12日 | 火 | 天恩日 | 不成就日 | |
11月18日 | 月 | 一粒万倍日 | ||
11月24日 | 日 | 大明日 | ||
11月30日 | 土 | 一粒万倍日 | ||
12月5日 | 木 | 不成就日 | ||
12月11日 | 水 | 大明日 母倉日 天恩日 | ||
12月17日 | 火 | 受死日 | ||
12月23日 | 月 | 大明日 母倉日 | ||
12月29日 | 日 | 天恩日 | 不成就日 受死日 |
2025年先負の日カレンダー
先勝の日付 | 曜日 | 特記 | 重なる吉日(縁起の良い日) | 重なる凶日(縁起の悪い日) |
---|---|---|---|---|
1月3日 | 金 | 鬼宿日 大明日 月徳日 母倉日 | ||
1月9日 | 木 | 寅の日 | ||
1月15日 | 水 | 大明日 | ||
1月21日 | 火 | 寅の日 月徳日 | 不成就日 | |
1月27日 | 月 | |||
1月31日 | 金 | 一粒万倍日 鬼宿日 月徳日 | 不成就日 | |
2月6日 | 木 | 一粒万倍日 大明日 月徳日 | ||
2月12日 | 水 | 母倉日 天恩日 | ||
2月18日 | 火 | 雨水 | 一粒万倍日 大明日 | |
2月24日 | 月 | 母倉日 天恩日 | 不成就日 | |
3月1日 | 土 | 己巳の日 大明日 | 不成就日 | |
3月7日 | 金 | 母倉日 | ||
3月13日 | 木 | 巳の日 天恩日 | ||
3月19日 | 水 | 大明日 母倉日 | ||
3月25日 | 火 | 巳の日 | 不成就日 | |
3月29日 | 土 | 一粒万倍日 | 不成就日 | |
4月4日 | 金 | 清明 | 一粒万倍日 | |
4月10日 | 木 | 大明日 天恩日 | ||
4月16日 | 水 | 一粒万倍日 | ||
4月22日 | 火 | 大明日 | 不成就日 | |
5月3日 | 土 | 大明日 月徳日 | ||
5月9日 | 金 | 寅の日 母倉日 | 不成就日 | |
5月15日 | 木 | 大明日 | ||
5月21日 | 水 | 小満 | 寅の日 月徳日 母倉日 | |
5月31日 | 土 | 月徳日 | 不成就日 | |
6月6日 | 金 | 一粒万倍日 大明日 月徳日 | ||
6月12日 | 木 | 天恩日 | 受死日 | |
6月18日 | 水 | 一粒万倍日 大明日 | ||
6月24日 | 火 | 天恩日 | 不成就日 受死日 | |
6月28日 | 土 | 天恩日 | ||
7月4日 | 金 | |||
7月10日 | 木 | 天恩日 | ||
7月16日 | 水 | 不成就日 | ||
7月22日 | 火 | 大暑 | 大明日 | |
7月28日 | 月 | |||
8月3日 | 日 | 大明日 月徳日 | ||
8月9日 | 土 | 大明日 母倉日 天恩日 | ||
8月15日 | 金 | 鬼宿日 大明日 母倉日 | 不成就日 | |
8月21日 | 木 | 月徳日 母倉日 | ||
8月25日 | 月 | 寅の日 天恩日 | 不成就日 | |
8月31日 | 日 | 二百十日 | 大明日 月徳日 | |
9月6日 | 土 | 寅の日 | ||
9月12日 | 金 | 一粒万倍日 鬼宿日 大明日 | ||
9月18日 | 木 | 寅の日 月徳日 | 不成就日 | |
9月23日 | 火 | 秋分 | 大明日 母倉日 | 不成就日 受死日 |
9月29日 | 月 | 母倉日 | ||
10月5日 | 日 | 大明日 母倉日 | 受死日 | |
10月11日 | 土 | 天恩日 | ||
10月17日 | 金 | 大明日 | 不成就日 | |
10月21日 | 火 | 不成就日 | ||
10月27日 | 月 | 己巳の日 大明日 母倉日 | ||
11月2日 | 日 | |||
11月8日 | 土 | 巳の日 天恩日 | ||
11月14日 | 金 | 大明日 | 不成就日 | |
11月25日 | 火 | 一粒万倍日 | ||
12月1日 | 月 | 大明日 月徳日 | 不成就日 | |
12月7日 | 日 | 大雪 | 大明日 天恩日 | |
12月13日 | 土 | 大明日 | ||
12月19日 | 金 | 月徳日 | ||
12月24日 | 水 | 天恩日 | 不成就日 受死日 | |
12月30日 | 火 | 大明日 母倉日 |
先負に適すること・してはいけないこと一覧
基本は理解できたけれど「じゃあこれは?」と誰かに聞かれると、返答に困ってしまうこともあるはず。
ここでは、先負に適すること、してはいけないことをご紹介します。
先負の結婚や結納や入籍は午後ならばOK
結婚にまつわる挙式・結納等の行事や入籍は、勝負事ではありません。そのため、気にしない方ならば午前中に行うこともできるでしょう。
ただし、現代の日本では「午前は凶」が定説。ツキがないとされている時の慶事は避けたいという方も多いものです。
また、午後になると運気が回復するのも先負の特徴。そのため、午後ならばOKという扱いになります。
大安や友引の日に比べると、割引料金で利用できる式場があるのも、この日に式を行う大きなメリットです。
ただ、関係者の中に暦を厳密に重んじる方がいる場合は要注意。どんな凶日でも、いかなる条件があっても、慶事には避けるべきという方も中にはいます。
「午後は大丈夫」と説得ができるのならば良いのですが、そうでなければ、違う日を検討した方が無難です。
先負のお葬式やお通夜等の法事はOK
そもそも、お葬式等を行う寺社仏閣・教会等と六曜に関連はありません。
そのため、先負を理由に僧侶や神主から、お葬式等を断られることもまずないでしょう。
また、先負がお通夜であれば仏滅がお葬式になることが多いはず。仏滅に唯一と言っていいほど問題なく行えるのが法事なので、周りの方々からの賛同が得やすいでしょう。
先負がお葬式になるとお通夜は友引になることが多いでしょう。友引のお葬式はNGですが、お通夜は問題ありません。
配慮すべきケースがあるとすれば、関係者に「友引に弔事を行いたくない」という方がみえる時だけでしょう。
同様に三回忌等の法事を行うことにも問題ありません。ただし、関係する方の都合や信条に配慮して密に連絡を取り、皆が納得できる日を優先させると良いでしょう。
先負のお宮参りや七五三等の祝い事は午後がおすすめ!
神社・神道と六曜は関係ありません。先負にお宮参りをしようが、七五三のお参りをしようが、神職さんからクレームがつくことはまずないはずです。
ただ、やはり「午前中は凶」とされる日。いざ動き出してトラブルに遭遇すると「やっぱり今日は良くないのかな」と落ち込む可能性が大きくなります。
本来のいわれ以上にメンタルをやられると、そこからあまり良くない運を引き寄せてしまうことにもなりかねません。
12時を過ぎる頃に出掛けてお参りをし、お祓いを受けると良いでしょう。
ただし他の行事同様に、暦を気にする親族がみえると「凶日にお宮参りをするの?」と言われる可能性はあります。
本来の意味や、午後になると吉運に転じることをお話しして、納得してもらえるならば、この日に行うのも良いでしょう。
先負の引っ越しは午後ならOK!
午前中が凶、おとなしく過ごすのが良いともされるのが先負。
しかも、先んずればそれが負けにもつながりやすい日ですから、ゆっくり午後からスタートするのが良いのです。
そのため先負の日でも、午後からの引っ越しならば運気が安定したタイミングに引っ越せるというわけ。
急な転勤等の事情で、先負の日にしか引っ越せないという場合も、安心でしょう。
現実的にも、午後からの引っ越しを割引料金で提供している業者もあるため、お得に引っ越せるというメリットもあります。
気を付けたいのは、親族に暦を重んじる方がいないかに加え、引っ越し先のご近所にそういった方がいないかということ。
仏滅や三隣亡、赤口ほどは気にされないでしょうが、一軒家に引っ越してご近所と密に接する場合は、気にしておきましょう。
先負の宝くじ購入はNG!
先負の持つ、本来の意味を考えてみましょう。「賭け事に適するか適さないか?」で考えたら、適さない日でしたね。
しかも、宝くじは他の誰よりも高額の当選を目指すもの。他人を圧倒して勝たなければならない、勝負に他なりません。
勝負にも適さない日が先負ですから、やめておくに限ります。
午後になれば運気が安定する、回復するとされる先負ですが、本来の意味を考えれば、午後になっての購入も避けたいもの。
どうせならば、縁起を担げるタイミングに気持ち良く購入した方が良いでしょう。
なお、当選金額が高額な宝くじほど、販売期間も1か月ほどと長いものです。
販売が始まったら、縁起の良い日をいくつかピックアップしておくと安心。終売直前に「先負にしか買いに行けない!」と焦ることもないでしょう。
先負の納車は午後ならOK!
車は大きな危険もはらむ存在。そのため、縁起の良いタイミングで納車したいという方も多いでしょう。
先負でも、午後ならば運気が回復するとされますから、午後に行えば問題なし。正午以降に納車をお願いしましょう。
一部、先負には「新しいことを始めるのもNG」という考え方もありますが、あまり一般的ではありません。
また、納車は勝負でも賭け事でもありませんから、先負の本来の意味を考えても全く問題はないはずです。
ただ、どうしようもない事情で先負の午前中や、その他凶日にしか納車を受けられない場合もあるでしょう。
その場合は納車後、早めに車のお祓いを受けたり、室内に塩をまいてお清めをする等の工夫をしてみて。
「これで大丈夫!」と思えることをしておけば、安心して車を活用できるでしょう。
先負に関する疑問
基本を知ったからこそ湧く疑問、知っておきたいことも出てくるもの。
ここからはそんな、先負に関する代表的な疑問にお答えしましょう。
先負は午前を除けば吉日なの?
「午前中は凶で午後は吉」。これが基本的な意味なので、質問への答えはYES。
一般的な暦でも、同様に解説されていることが多いでしょう。
また、運気はグラフのように曲線を描いて上昇と下降を繰り返すもの。先負の日は、午前中は低迷し、午後は上昇する日と考えられます。
そのため「午前中はおとなしくして、午後から動き出す」。これが基本的な考え方です。
ただし、ここまで読んでくださった方なら「あれは?」と思われたことがあるはず。
そう、賭け事や勝負事は終日、避けた方が無難とされるもの。宝くじや馬券の購入、ケンカは避けるのがおすすめです。
また、厳密にゲンを担ぐ方は「何かを始めること」「急な用事」を避ける傾向もあります。
すべてを網羅したいならば「賭け事・勝負事は避け、気持ちに余裕を持って午後に動く」。こうすれば吉日として利用できるでしょう。
先負の日の午前中はどれくらい悪いの?
先負の日自体が、仏滅・赤口に次ぐ凶日。加えて、先負の日の午後は運気が回復するとされていましたね。
そのため、先負日の午前中は六曜中3番目に縁起の悪い時間、と考えて良いでしょう。
ちなみに仏滅は、お葬式以外NGともされる大凶日。何をやっても実りはないとされる日です。
赤口は正午を挟んで11~13時頃までしかツキのない日。慶事や何かを始めることには向かない日とされています。
おまけに、火事やケガに注意すべきとされるので、考え方によっては、仏滅とあまり変わらないレベルの凶日です。
こんな仏滅・赤口と比べれば、先負の午前中も可愛らしいものに感じられるかもしれませんね。
なお、先負の翌日は仏滅ですが、その翌日は大安が回ってくることがほとんど。
そのため、大安まで大きな動きを避けて、2日間はのんびりペースを保つというのも悪くありません。