当時、私がお付き合いしていた彼はとても内気な性格で、にぎやかな場所を好まないような人でした。もちろんこういう人ばかりではないと思いますが、優しすぎる男はDVに発展しやすいというものを身をもって体験しました。その経緯を説明していきたいと思います。
彼は不器用で優しい男
彼とのお付き合いが始まり、数ヶ月はとても優しい人だったんです。
愛情表現が苦手なのにも関わらず一生懸命私を幸せにしようと色々な計画を経ててくれていました。
そんな優しい彼が、私がデートをドタキャンしてしまったことで豹変してしまったのです。
その日は仕事が5時に終わる予定だったので7時から彼とご飯を食べに行く約束をしていました。
しかし私は残業になってしまい、彼に「ごめんね。今日残業になっちゃったからご飯行けなくなっちゃった。」とメールをしました。
彼からの返事は「仕事頑張ってね」と言ってくれたのです。
9時まで残業し、一緒に残業していた同僚と「飲みに行こう」という話になりました。私を含め、女は3人。男は上司も入れて5人いました。みんなで居酒屋へ向かい楽しく飲んでいると彼から電話がありました。
彼「仕事終わった?」
私「うん!仕事終わって今みんなでご飯食べてるよ」
彼「誰と?」
私「会社のみんなだよ」
彼「男もいるよね?」
私「いるけど同僚と上司だよ」
彼「あっそう」
プツ
私「もしもし?」
電話は切られていました。変な気分のまま飲み会は終わり、家に帰りました。
優しかった彼の豹変
家に帰ってから彼に電話をすると出てくれず時間を置きながら何度か電話をしました。7回くらいの電話で彼は出てくれたのですが、今まで聞いたことのないような冷たい声で「なに?」と言われたのです。
「さっきはごめんね」と私がいうと「今から家にきて」と言われ、このままでは私も気分が悪いと思い、彼のアパートへ向かいました。
ドアを開け、彼の部屋に入ると彼は苦手な缶ビールを何本も飲んでいました。
すると突然彼は私の顔に缶ビールの空をぶつけてきたのです。
突然のことで声も出ず立ち尽くしていると、彼がいきなり私を抱きしめ「ごめん」といいました。
私も「ごめんね」と謝り、その場は仲直りをしたのですが、これが彼の本性だったとはこの時はまだ気付きませんでした。
DV男の特徴 暴力からの「ごめん」
それからしばらくの間は前と同じように優しい彼でした。
しかし、一緒に彼のアパートでゆっくりしていたとき、女友達から電話があり「コンパニオンのバイト手伝ってくれない?」と言われたのです。
何度かこのバイトを手伝っていたので予定もなかったし、何も考えずOKしたのです。
隣にいた彼にも電話からの声が漏れていて「俺がいるのにコンパニオンなんかするつもり?」と表情が一変しました。
「お金稼がないとね」と言った私に対して彼は自分の財布を取り出し、「金がほしいならコレを持っていけよ」と大きな声で激怒され、そのあとその財布で頭を思い切り叩かれたのです。
「何で叩くのよ」と怒った私に対して「ふざけるな!お前は尻軽女か!」と言われました。
そんな言い方をされたことがショックで泣きながら彼の家を出ようとしました。
すると「ごめん、ごめん」と玄関で必死に謝ってきました。彼のペースに巻き込まれ、その時も簡単に許してしまったのですが、日に日に彼の暴言暴力は増えていきました。
「優しい男」と「DV男」が同居しているよう
彼は些細なことで私に怒るようになっていきました。彼にご飯を作った時、彼のご飯に私の髪の毛が入ってしまっていたのです。彼が気付き、「ごめん」と軽く謝ってしまった私の態度が気に入らなかったようで、「その謝りかたはなんだよ」と近くにあった箸を投げてきました。
まただ!と、それを知らんぷりしていると余計に気に入らなかったようで今度は私の作ったシチューをゴミに捨て、そのお皿を私に投げつけてきたのです。
そのお皿が背中に直撃して、痛みを堪えるようにしゃがみ込むと、そのまま彼は私の髪の毛を掴み、壁に投げつけました。
私は何が何だか分からず泣き尽くしていると、またも「ごめん、ごめん」と必死で謝っていました。
家に帰り背中を見ると内出血の跡が大きくあり、アザになっていました。彼に鷲掴みにされた髪の毛を皮膚が真っ赤になっていて、おでこにも引っかかれたような傷が数個ありました。
普段は優しい男ゆえに別れ辛いけど
傷跡を見ながら冷静に考えていると彼のことが無性に怖くなり、彼からの電話も出る気にはなれませんでした。
電話に出ないことで、彼からのメールは怒っているような文面でした。しかしこのままではいけない。でも会うのは怖い。別れ話をしたら彼はどうなってしまうだろうと色んなことを考えていました。
でももう彼のことが怖いと思ってしまった以上お付き合いを続けていくことは出来ませんでした。別れを告げると彼はかわいそうに思えてしまうくらいボロボロと泣いていました。彼の涙に一瞬心が揺らぎましたが、ここでまた戻ってしまったら結局また一緒のことの繰り返しだと思い、「別れてほしい」とそればかり言いました。
別れることが出来たあとも何度か復縁を迫られたのですが、もう彼とやり直すことはありませんでした。
普段は優しい男で、弱い部分を持ち合わせているので、謝られるとよりを戻したい気持ちにもなりますが、そこは心をしっかりと決めて、DVを行うような人とは付き合えないと強い気持ちで別れを伝えるのが良いと思います。
できれば、知人を同席させて外で話をしたほうがよかったなと思いました。