気になる「男子校の彼」
私が高校一年の時、気になる人ができました。私は女子校出身なので同じ学校には男の子はいなかったのですが、同じ市内で半径一キロ以内のところに男子校がありました。そこに通っていた同学年のとある男の子。彼はテニスのラケットをいつも背負っていて決まった時間に家から出てきます。彼の家は私の通っていた高校の近くだったので毎朝彼を見ることができました。彼は予想通りテニス部で毎日遅くまで部活をしていました。私は部活には所属せず、同好会という形でバドミントンを週に三日やっていました。
ですので週に三日は彼と下校時間がかぶったのです。それでも充分にうれしかったのを覚えています。近づきたいけど、このままでも幸せだと思っていました。そんな生活が4か月続いたころ、突然彼と出身中学が同じ女の子に連絡先を渡されました。私がひそかに気になっていた彼の連絡先でした。聞けば、私と同じように彼も私のことが気になっていて私と同じクラスの女の子に自分の連絡先を渡したということでした。
やっと彼とお近づき…そして
一日に何度も、とまではいきませんがおはようから始まり、おやすみまで連絡を取り合うようになりました。それだけでうれしくて毎日楽しかったです。それまであまり付き合ったりなどの男性経験が少なく自分から告白などはしてきませんでした。なかなか発展をしなかった私たちの関係を終わらせたのは彼からでした。休日の朝突然遊びに誘われて、ドキドキしながら彼と会いました。会って早々、告白されたのです。驚きましたが、もちろん答えはyesでした。
ん?…彼の奇怪行動が
夏が終わり、秋になりはじめ私の高校は文化祭を迎えました。彼との関係もよく、勉強も運動もそれなりに頑張れていました。私の高校の文化祭に彼は来るつもりでしたが、大事な部活の大会があったためあきらめました。
楽しみにしていたのですが彼がずっとテニスを頑張っていたことは知っていたのであまりもう文化祭については触れないでいました。文化祭当日。彼が来れないので私は楽しさが半減したかのように落ち込んでいました。
しかし私のクラスには次々とお客さんが入ってきて忙しかったです。ちなみに出し物は定番のお化け屋敷でした。落ち込んでいても仕方がないので楽しく受付や対応をしていると、彼と同じ男子校に通う男の子が来て連絡先の書いてある紙を渡してきました。もちろん連絡する気はなかったのですが、その場で場の雰囲気を壊したくなかったので、紙を受け取りました。
そのまま受付を続けていると、来るはずのない彼がすごい形相でやってきて私の腕をつかみそのままトイレに連れていかれました。正直、怖いと思っただけでした。彼は大会には参加せず私の様子をずっと陰から見ていたというのです。
今考えればぞっとしますが、その時はその状況が怖すぎて何も考えられなかったのです。男の子に渡された紙を彼に取られ、泣くのを必死にこらえながら元のクラスに戻りました。その後彼がどこにいたのか、家に帰ったのかはわかりませんし、その後そのことには私も彼も触れませんでした。しかし、この日を境に彼がどんどん怖い人になっていきました。でも、私が怒らせなければとてもやさしく、とても素敵な人でした。
後々、この現象がDVだということを知りました。
DVが怖くて「怒らせてはいけない」
いつものように、朝学校へ行こうとすると連絡も来ていないのに彼が玄関の前にいました。驚きましたが彼が笑顔で、びっくりした?と聞いてきたのでサプライズだと思い私も笑いました。すると突然彼が怒鳴りました。
お前は笑うな、俺が連絡もせずお前に会いに来る意味が分からないのか?とたずねてきたのです。何もわからず突然怒鳴られたことに対して恐怖を感じ、何とか理由を必死に考えました。理由は、この日の前の晩、クラスの女の子が、私と同じ中学校だった男の子の連絡先が欲しいと連絡してきたので、相手の男の子に許可を取り連絡先を教えた、ということでした。
許可を取っただけですが男の子と連絡を取ったので彼は激怒しました。頻繁に怒鳴られたり、時には手も上げられました。私の顔と腕には手をあげませんでした。
DV彼と別れるチャンス
冬が終わろうとしていたころ、私はどうしたら彼と別れられるかとしか考えられなかったのです。しかし以前別れ話をした際いつものように暴力をされました。別れ話の時だけ顔を殴られました。考えてみれば別れ話をしなければ私は顔を殴られずに済んだ、私が悪いと思っていました。でももう耐えることができません。そんな時学校の保健体育でdvについての動画を見ました。そこではじめて気づいたのです。
私が悪いのではなかったのです。何が理由であっても、人に手を上げてはいけないのです。その日をきっかけに、私は強気に出ることができました。しっかり彼に別れを告げよう、と思っていたその日の帰り道、いつもなら部活をしているはずの彼が私の知らない女の人と手を繋いで歩いていました。とてもショックでしたが私には好都合でした。仲良く歩いている彼に近づき、さよならとだけ伝えました。
その後何度も着信がありましたがすべて無視できました。同じように悩んでいる人はたくさんいると思いますが、私は恥ずかしくて誰にも相談できなかったのでまずは、誰かに相談したら何らかの解決法が見つかるかもしれません。なんにせよ、女に手を上げる男は最低だと思います。DVをする男性、女性がいなくなることを日々願っています。