「30代になると、仕事が充実する」。これは私が新卒の時に入社した職場の上司から言われた言葉です。しかし、私は20代はもちろん、30代半ばになっても上司の対人関係でいつも悩んでおり、短期離職を繰り返してきました。年齢が上がると転職も容易ではなくなります。そこで、「自分の直すべきところはなにか?」ということをテーマに、要町のよく当たる占い師のところに相談をしに行きました。きっかけは単純で、以前にTVでその先生を見たことがあったからです。サロンはどこにでもあるようなマンションの一室で、受付に通された後、緊張したまま待っていると「どうぞ」と私の名を呼ぶ声がしました。いよいよ先生と対面です。
先生は外国人で、霊視+タロットをあわせた鑑定を得意としているとのことです。一般の方だけでなく芸能人などもお忍びで相談されているとのこと。テレビでは「え~なんで当たるの!」とタレントが大袈裟に表現していただけに、ワクワクした気持ちでいっぱいでした。まず、紙に名前と生年月日を書きます。続いて仕事の方針を聞きたいとお願いした後、いよいよ鑑定がスタートしました。
「さぁ、何を言われるのかな?」と思っていたところ、私の顔を見た先生が「あなた、父親はどうしたの?縁薄いね」と一言伝えます。私の父は、物心つく前から母と離婚しており、私は母親に育てられました。それをピタリと当てられたのです。しかし、私はまだ「ヤマカンじゃないのかなあ?」と信じていませんでした。今のご時世、両親が離婚をしている家庭はどこにでもありますし、外れたとしても、今回の私の相談内容と全く関係ないことだったからです。そう思いつつ、先生の話は続きます「あー、お姉ちゃん、お母さんはいるんだね。ワンちゃんも?かな」と、父だけでなく私の家族構成を完璧に当てられたのです。これには私も驚きました。と言うものの、私の母親はちゃきちゃきの真面目・A型体質でとにかく周りを気にする性格で、小さい頃から「お父さんがいないことは内緒にするんだよ」と教わってきました。私はこの教えを守り、周りの友人などにも両親のことを自分から伝えたことはなかったのですから。
本題である仕事の話に続きます。「あなた、今のところはあっていない。心壊れるよ。すごい、鬼のような人がいるでしょ。許せない?怒ってる?どうしたらいいか、わからないのでしょう?」。ちょっと片言な日本語を聞きながら、私は「この先生、なんでこんなにわかるんだろう」と感銘を受けました。周りのスタッフとは仲良くやっているのですが、ただ一人の上司だけが、私に嫌がらせをしたり、心無いことを言ってくるのです。霊感が高い人は、占い中にマシンガンとークになると、何かの本で見たことがあるのですが、まさにその通り。先生の話は続きます。「悩んでいる時に転職するから、次も悩むのよ、わかる?」。この言葉を聞いて、私は「はっ…」としました。なぜなら、今までの転職は全て逃げの姿勢。きつい上司にあたり、その上司から逃げたいがために退職をして、転職を繰り返していたからです。先生の話は続き、「人には波動っていうものがあって、幸せを感じていると、いい波動、不幸を感じていると悪い波動がでるの。今の職場を辞めて、仕事しない時間を楽しみなさい」。私は心の中で「いやいや、無職ってそんなに楽しめないだろ」とつっこみを入れていると、先生は「あなたエゴがありすぎ、エゴも捨てて」と言ってくれました。これがどういうことかと言うと、自分が楽しい時、嬉しい時、充実している時に探す求人は、そのまま楽しい仕事、充実している仕事に繋がるようです。逆に逃げたい、辞めたい、という時に探す仕事先は波動が低いということになるので、辛い職場を引き寄せてしまうとのことです。先の話に繋がりますが、私はエゴがあることを自覚していました。「お洒落なオフィスじゃないと嫌だ~上場企業の方が安定している~」というように、世間を気にしてしまうのです。それを崩せというアドバイスをいただきました。
一番うれしかったのが、「あなたは仕事ができない人間じゃない。過去、どこかで心配してあなたの仕事ぶりを見てくれた人もいるし、いつも退職する時は止められるでしょ?」と言ってくれたことです。当たる先生に言われると妙に納得してしまいました。そして、先生が「今の職場があわないだけ、きちんとした所を探せば大丈夫」と言ってくれて、鑑定は終わりになりました。結果的にその職場は退職して、私は無職になりました。無職になった後、好きなことをやり、思いっきり楽しんだのです。
半年経った後、就職活動を開始して、内定をもらうと。これまでの負のループの原因であった、上司はきつくなく、他人に配慮をしてくれる方でした。自分が変わると、周りも変わるというのは本当だと思います。あの先生に相談していなければ、同じことをずっと繰り返していたかもしれません。本当に出会ってよかったです。また困った時は利用させていただきたいです。